しかし、この不動産を取得すれば権利書が発行されるという制度は変わってしまいました。現在はたとえば磯城郡の土地を購入して所有権移転登記をされると権利書は発行されず、「登記識別情報」というものが発行されます。これは銀行の暗証番号のようなもので、12桁の英数字の組み合わせです。登記が終わればA4の紙にシールで目隠しをして発行されるわけですが、大切なのはその紙ではなく英数字なのですから、これはお客さんも私たち登記事務所もなかなか扱うのに難儀します。
登記識別情報のイメージ
法務省の「新不動産登記法Q&A」より
つまり、その12桁を他人に知られてしまうと危ないわけですね。これまでは権利書という「紙」が大切だったわけですが、これからは12桁の英数字という「情報」が大切なのです。ということで、現在権利書を持っておられる方はこれまで通り権利書を大切に保管していただければ結構なのですが、登記識別情報を発行された方はその情報を他人に知られないように秘密裏に保管していただくことになります。
現在権利書を持っておられる方が次に土地や建物を売却する際にはこれまで通りその権利書を使用します。一方、登記識別情報を通知された方は、その12桁を紙に書いて提出することになるわけです。なかなかややこしいですね。おまけに2007年2月現在お隣の桜井市ではまだ権利書が発行されているという状態であり、なかなか複雑です。上にもリンクしました法務省の「新不動産登記法Q&A」というページのQ12以降に解説がありますので詳しくお知りになりたい方は是非読んでみていただきたいと思います。ではまた。